POラボで製作する商品はすべてオーダーメイド。それだけに装着感はどうか、お悩みが解消できたかが気になります。スタッフがお客様を訪問、ご感想を伺うコーナーです。
イメージアップ講師
ウォーキングスタイリスト
足育トレーナー
スタジオ・アリュール主宰 http://keikoueda.jp
聞き手:
P.O.ラボ スタッフ
スタッフ
「ウォーキングスタイリストとして考える、“美”と“健康”の関係を聞かせて下さい。」
上田先生
「そもそも私は、カラーやメイクなど外見の“美”から入りました。それが、長女の出産をきっかけに健康の大切さに目覚め、正しい姿勢と歩き方を研究した結果、それまでの体調不良(頭痛・肩こり・生理痛・腰痛・冷え・むくみ)を克服し、“健康なくして真の美は成り立たない”という思いにいたりました。
私の考える“美”とは“健康”そのものです。美しい姿勢と歩行を身につけることで、歪みにくい体になり、新陳代謝も活発になり、免疫力がアップします。血液やリンパの流れがよくなると、お肌もハリがでて美しくなります。そうなると外見をたくさん飾らなくとも、凛とした美しさが際立つので、自分自身であることに自信が持てます。姿勢を正すことは、すなわち“生きる姿勢”を変えること。私にとっての“美”とは、“健康になるためのもの”とも言えます。」
スタッフ
「医学の領域では、美と健康は必ずしも一致しない場合も見られると思います。しかし本来は美と健康は両立してこそ成り立つものなのですね。」
上田先生
「私はそう思っています。」
スタッフ
「この2つが融合すれば医療も変わる部分があるかもしれません。少なくとも義肢装具の世界には新しい考えによる新しい価値が生まれると思います。」
スタッフ
「“足”について聞かせて下さい。」
上田先生
「私自身が足、そして靴に関する知識の必要性を感じたのは、母が1年に2度も足首を捻挫したことでした。母に転倒防止の歩き方を教えた際に母の足をはじめてまじまじと見た所、母の足が外反母趾で筋力が弱く、不安定であることに気付きました。また、受講していただいた生徒さんの中にも外反母趾や扁平足、モートン病の方がおられたことから、“足・靴・歩行”の3つをトータルで学ぶ必要性を感じました。そしてスクールに通い、ウォーキングアナリスト・フットアドバイザー1級の資格を取りました。
そこで学んだのは、歩き方をお伝えするだけでは不十分なこと、まず足そのものを健康にすること、そして靴の選び方、履き方、ケアの方法を知ること、すべての要素が揃ってはじめて健康に歩くことができるということでした。」
スタッフ
「“足育”という言葉は初めて聞きました。」
上田先生
「なぜ欧米人は歩き方が美しいのでしょうか・・・。それは、日本人と比較すると足の歪みがほとんどないため、足を真っすぐに出すだけで美しく歩けるからなのです。
また、ヨーロッパでは、靴はもちろん足が健康に直結するという意識が高く、親は子供の足の成長に目を光らせ、トラブルがあれば足の専門医にかからせるそうです。
ドイツでは母子手帳の欄に足の項目があり、足の教科書もあり、学校教育に取り入れられています。また、イタリアでは父親が幼稚園に通う子供の靴ひもを結びます。学校教育だけではなく、家庭教育の中でも靴の正しい履き方が躾として根付いているのです。」
スタッフ
「確かに日本では、例えば学校指定の靴があれば全員がそれを履きます。また親が買う子供靴は大きめを選ぶことが多いですね。そして多くの子供たちは足が靴の中で遊んでしまうか、踵を踏んでしまう。子供の足に合った靴選びの機会はどんどんなくなってしまいますね。」
上田先生
「欧米は靴の歴史が長く、自分の足に合った靴を選ぶという根本的な考えが存在します。しかし日本ではどちらかというと靴はファッションの一部で、靴に足を合わせるという考えが根付いてしまっています。特に女性は大きな足を恥ずかしく思う気持ちが強く、足に合った靴を選ぶことができないのではないでしょうか。そもそもほとんどの女性用の靴が24.5cmまでしかないというのも問題です。」
スタッフ
「なぜ日本人女性は足が大きいことを恥ずかしく思うのでしょうか。」
上田先生
「女性の足は小さければ小さいほどいいという中国の古い考えからきたものでしょうか。纏足思想というものです。今では中国でも見られなくなりましたが、その思想が日本に根付いてしまったのかもしれません。」
スタッフ
「“足育”、“靴育”、そして“歩育”が必要なのですね。この3つを親世代に伝えていく必要がありますね」
上田先生
「この3つを三位一体として親世代に伝えることで、その親、その子供と3世代に対しての教育ができることになります。また、教育機関にもこれらの重要性を伝えていかなければならないと思っています。現在これら3つを広く啓蒙していく活動を行っていますが、今後、より多くの人々に知っていただきたいと思っています。」
スタッフ
「先生の考え方は、私たちが考える“足”をより広く、より正確にとらえたものだと思います。この3つを広げていくのは私たち義肢装具士の務めでもあると思います。先生と一緒にできることがいろいろあると思います。今後、微力ながら活動のお手伝いをさせていただけたら嬉しく思います。今日は本当にありがとうございました。」
上田先生
「私にとっても義肢装具士の方々と連携できることは大変心強いです。本日はありがとうございました。」
余談
「今まで色々な服を着てきましたが、和服は日本人の体型を一番美しく見せる衣服だとわかりました。また、和服は帯が姿勢矯正具の役目を果たし、女性の大切な子宮を守り、あたためてくれます。そして、草履は足の指先を自由にし、外反母趾の改善にもなるという、とても機能的で素晴らしい日本の民族衣装です。そして母の代から、さらには祖母の代から受け継がれているものですから、エコロジーにもかなっています。また、布に包まれている安心感という癒しの効果もあります。私は和服のよさを見直し、そして大切に伝えていきたいと考えています。