ケーラー病(第1ケーラー病)

怪我をした様子もないのに、2,3週間前から足を痛がる。



ケーラー病は4~7歳の男子に多い(4:1)、比較的まれな疾患である。舟状骨に疼痛を生じ、局所に軽度の炎症症状を伴い、跛歩の原因となる。そのX線像は特徴的で、扁平化、矮小化して硬化像を示し、その周辺は不整で、分裂することもある。X線写真からは、かなりの変形と、成長障害を残すと危惧される。しかし、治療どころか安静を保たなくても、2,3年以内にX線像は正常に戻り、後遺症も残さず完治する。したがって、長期に安静と命じたり、運動を禁じたりしてはならない。とは言っても、左右を比べればX線像の差は誰にでも一目瞭然である。前医で厳しい説明を受けている場合もあると、かえって心配の余り転医を繰り返すことになる。よく説明したうえで、疼痛のある間は比較的安静を保ち、X線像が左右等しくなるまで半年に一度程度、X線写真で追跡するのがよい。
(参考文献:足のクリニック)